ローズマリーは、古くから料理、美容、薬用など幅広い用途で利用されています。
葉に爽やかな芳香があり、アロマテラピーでも人気のあるハーブです。
料理に使われるローズマリーなのですが、一部の品種では大量に摂取すると腹痛や嘔吐などの症状を引き起こす可能性があるものもあるようです。
ここではそんな注意が必要なローズマリーの品種やローズマリーはどんなハーブなのか詳しくご紹介いたします。
ローズマリー食べられない種類とは?
一般的に栽培されているローズマリーは、食用としても園芸としても安全に使用できます。
しかし、一部の品種は、大量に摂取すると嘔吐や下痢などの症状を引き起こす可能性のある毒性成分を含んでいます。
毒性を持つ可能性のあるローズマリーの品種
ローズマリー・レプトフィラ(学名:Rosmarinus leptopbyllus)
別名「ヒメローズマリー」とも呼ばれ、葉が細長いのが特徴です。
通常のローズマリーよりも香りが強く、料理などに少量使うのは問題ありませんが、大量に摂取すると腹痛や嘔吐などの症状を引き起こす可能性があります。
ローズマリー・アルバス(学名:Rosmarinus officinalis ‘Albus’)
白い花を咲かせる品種です。
通常のローズマリーよりも香りが弱く、毒性も低いと考えられています。
しかし、大量に摂取すると消化不良や頭痛などの症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
安全にローズマリーを楽しむための注意点
- 農薬を使用していないものを使用する:ローズマリーはハーブの中でも農薬が残りやすい植物です。食用にする場合は、必ず無農薬のものを使用しましょう。
- よく洗ってから使用する:ローズマリーは土埃や虫が付着していることが多いため、よく洗ってから使用する必要があります。
- 取り過ぎない:ローズマリーは香りが強いハーブです。
- 料理に使用する場合は、少しずつ加えて、味をみながら調整しましょう。
- 妊娠中・授乳中は控える:ローズマリーには子宮収縮作用があるため、妊娠中・授乳中は控ええて下さい。
- アレルギーがある場合は注意する: ローズマリーにアレルギーがある場合は、使用を控えてください。
ローズマリー観賞用と食用の違いは?
ローズマリーは、その美しい花と芳香のある葉で、観賞用としても、料理にも使える人気のハーブです。
しかし、観賞用と食用では、いくつかの違いがあります。
品種の違い
観賞用
花の色や形、葉の色や形状など、見た目の美しさを重視した品種が多くあります。
成長がゆっくりで、コンパクトにまとまる品種も人気です。
食用
葉を収穫して料理に使うことを目的とした品種です。
成長が早く、葉がたくさん収穫できるものが好まれます。
用途の違い
観賞用
庭やベランダのハーブガーデンを彩ったり、鉢植えにして室内で楽しむなど、主に観賞を目的とします。
食用
肉料理、魚料理、スープなど、様々な料理に風味付けとして使用されます。
乾燥させてハーブティーにすることもできます。
特徴の違い
特徴 | 観賞用 | 食用 |
成長速度 | 遅い | 速い |
株の大きさ | コンパクト | 大きくなる |
葉 | 小さめ、色や形に特徴がある | 大きめ、収穫しやすい |
香り | 品種によって異なる | 芳香が強く、料理に合う |
花 | 大きくて美しい | 小さめ、葉に比べて目立たない |
栽培方法の違い
基本的な栽培方法は同じですが、品種によって若干異なります。
観賞用
鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために定期的に植え替えが必要です。
剪定することで形を整え、美しい株に育てることができます。
食用
葉をたくさん収穫するため、肥料を定期的に与え、日当たりの良い場所で育てます。
ローズマリーってどんなハーブ?
シソ科の常緑低木で、古くから人々の暮らしに利用されてきたハーブです。
別名でマンネンロウと呼ばれ、英名はRosemaryです。
地中海沿岸原産で、寒さや乾燥に強く、育てやすいのが特徴です。
高さは1mほどになり、細長い葉と淡い青紫色の花を咲かせます。
ローズマリーの最大の特徴は、爽やかで力強い香りです。
この香りは、料理の香りづけやアロマテラピーなどでよく利用されます。
また、ローズマリーには抗菌・抗酸化作用や血流改善作用などがあり、健康や美容にも効果が期待できます。
ローズマリーの香りや味の特徴
ローズマリーの香り
爽やかでフレッシュなグリーン調が特徴です。
薬草のような少し薬臭い香りも感じられますが、それが清涼感を与えてくれます。
ローズマリーの香りは、気持ちをリフレッシュさせてくれたり、集中力を高めてくれたりする効果があると言われています。
ローズマリーの味
少し苦みとほのかな甘みがあります。樹脂感やメントール感も感じられます。
ローズマリーの味は、肉料理や魚料理の臭み消しとしてよく使われます。
また、スープや煮込み料理に入れると、風味をアップさせることができます。
ローズマリーは乾燥させても香りが飛びにくいため、ポプリやサシェなどにも利用されます。
ローズマリーの香り成分
- 1,8-シネオール:爽快感、集中力アップ、記憶力アップ、抗菌作用、抗炎症作用
- カンファー:覚醒作用、鎮痛作用、血行促進作用
- ロスマリン酸:抗酸化作用、アンチエイジング作用
- α-ピネン:リラックス効果、鎮静作用
- ベルベノン:美肌効果、抗菌作用
ローズマリーの効能
- 集中力・記憶力アップ:1,8-シネオールやカンファーなどの成分が脳を活性化。
- リラックス効果:α-ピネンなどの成分が心を落ち着かせる効果。
- 血行促進: カンファーなどの成分が血行を促進し、冷え性や肩こりの改善に効果。
- 抗菌・抗炎症作用:1,8-シネオールやベルベノンなどの成分が抗菌・抗炎症作用で、ニキビや口臭予防に効果。
- アンチエイジング:ロスマリン酸などの成分が抗酸化作用を持ち、アンチエイジング効果。
ローズマリーの利用方法
独特の爽やかな香りが特徴のシソ科のハーブです。
地中海沿岸が原産で、古くから料理や薬用として利用されてきました。
近年では、その抗酸化作用や血行促進作用などの効果から、美容や健康にも注目されています。
ここでは、ローズマリーの利用方法を、料理、ハーブティー、入浴剤の3つに分けて詳しくご紹介します。
ローズマリーは、肉料理や魚料理の臭み消しや香り付けとしてよく使われます。
また、じゃがいもや鶏肉などの野菜と一緒に煮込んだり、オイル漬けにしてパスタやサラダのトッピングにしたりするのもおすすめです。
・煮込み始めに入れると香りが飛んでしまうので、途中で加えるようにしましょう。
・ローズマリーの香りをより引き出すために、オリーブオイルと一緒に使うのがおすすめ。
おすすめレシピ
- 鶏肉のローズマリー焼き
- じゃがいものローズマリー煮
- ローズマリー風味のオイル漬け
ローズマリーは、ハーブティーとしても楽しむことができます。
ローズマリーのハーブティーは、リフレッシュ効果や記憶力向上効果があると言われています。
作り方
- ローズマリーを小さめの束にして、ティーポットに入れる。
- 熱湯を注ぎ、5分ほど蒸らす。
- お好みで蜂蜜やレモンを加えてもよい。
妊娠中や授乳中の方は、ローズマリーのハーブティーを飲む前に医師に相談してください。
ローズマリーは、入浴剤としても利用することができます。
ローズマリーの入浴剤は、血行促進効果やリラックス効果があると言われています。
作り方
- ローズマリーを布袋に入れ、お風呂に入れる。
- 約20分入浴する。
肌が弱い方は、ローズマリーの入浴剤の使用を控えてください。
ローズマリーの選び方
ローズマリーは観賞用と食用に分けられますが、葉の色や香り、味に大きな違いはありません。
観賞用として販売されているものは、花色が鮮やかだったり、葉の形がユニークだったりするため、観賞価値が高い品種を選んでいることが多いです。
一方、食用として販売されているものは、葉が大きくて香りが強いものが選ばれていることが多いです。
ただし、中には食用に向かない品種もあります。
例えば、ローズマリーの中でも「ヒュージブルー」という品種は、葉が厚くて硬いため、料理には使いにくいです。
新鮮なローズマリーの選び方
- 葉の色:葉が濃い緑色で、みずみずしいものを選ぶ。
- 香り:強い香りを放っているものを選ぶ。香りが弱いものは、鮮度が落ちて可能性あり。
- 茎:茎が太くてしっかりしているものを選ぶ。茎が細いものは、育ちが貧弱な可能性あり。
- 花:花が咲いているものは、完熟に近い証拠。香り重視は花が咲いていないものを選ぶ。
ローズマリー食べられない種類も楽しむ
ローズマリー食べられない種類も楽しむ
ローズマリーの栽培
ローズマリーのアレンジ
ローズマリーの保存方法
上記の3つがあります。
それぞれの内容を詳しくご紹介いたします。
ローズマリーの栽培
ローズマリーの栽培方法、栽培場所、植え付け、水やり、肥料、剪定、収穫と注意事項をここではご説明いたします。
各項目を確認して頂き、ローズマリーを栽培してみて下さい。
ローズマリーは日当たりと風通しの良い場所を好みます。
日当たりが悪いと花つきが悪くなり、風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。
また、乾燥には強いですが、過湿には弱いため、水はけのよい土壌で育てることが大切です。
時期
ローズマリーの植え付け適期は、4月~6月または9月~10月です。
真夏と真冬を避け、涼しい時期に植え付けましょう。
方法
- 鉢植えの場合は、口径20cmほどの鉢に、水はけと通気性の良い培養土を詰めます。
- 地植えの場合は、植え付け場所に腐葉土などを混ぜて、水はけをよくします。
- 根鉢を崩さないように、苗を植え付けます。
- 植え付けたら、株元に土を寄せ、軽く手で押さえて土と苗を密着させます。
- たっぷり水を与えます。
ローズマリーは乾燥に強いので、鉢植えの場合は土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えます。
地植えの場合は、根付いたら基本的に水やりは必要ありません。
ただし、真夏や乾燥が続く場合は、様子を見ながら水を与えます。
ローズマリーは痩せ地に強いので、肥料は控えめに与えます。
鉢植えの場合は、春と秋に緩効性肥料を月に1回程度与えます。
地植えの場合は、年に1回程度、緩効性肥料を与えれば十分です。
ローズマリーは徒長しやすいので、定期的に剪定が必要です。
剪定適期は、3月~4月または9月~10月です。
伸びすぎた枝や枯れた枝を剪定し、形を整えます。
また、花が終わった後も剪定を行うことで、新しい枝の芽吹きを促すことができます。
ローズマリーの葉や花は、いつでも収穫できます。
葉は、若い方が香りが良いので、新芽を摘み取るのがおすすめです。
花は、開花直前に収穫すると、香りが最も高くなります。
ローズマリーは、寒さには比較的強いですが、霜に当たると枯れてしまうことがあります。
冬は、軒下など、霜の当たらない場所で管理しましょう。
アブラムシやハダニなどの害虫が発生しやすいので、定期的に薬剤防除を行います。
ローズマリーのアレンジ
食用には適さないローズマリーの種類でも、その芳醇な香りや美しい見た目を活かして、様々な用途に活用できます。
ここでは、ポプリ作り、アロマテラピー、リース作り、クラフト作り、サシェ作りの5つを詳しくご紹介します。
ポプリとは、乾燥させた花や葉を混ぜ合わせて作った香りを楽しむものです。
ローズマリーは、その爽やかな香りが特徴で、ポプリの材料として最適です。
- 材料: 乾燥ローズマリー、好みのハーブや花(ラベンダー、カモミールなど)、ガラス瓶など
- 作り方:
- ローズマリーの葉を細かく刻み、よく乾燥させます。
- 他のハーブや花と混ぜ合わせ、ガラス瓶などに入れ密封します。
- 暗くて涼しい場所で1週間ほど寝かせると、香りが馴染みます。
- ポイント:
- 香りの強弱は、ローズマリーの量を調整することで調節できます。
- 定期的に瓶を開けて空気を入れ替えると、香りが長持ちします。
- 活用法:
- クローゼットや引き出しに入れて、衣類に爽やかな香りをつけます。
- リビングや寝室に置いて、お部屋の雰囲気を華やかにしてくれます。
ローズマリーのエッセンシャルオイルは、リフレッシュ効果や集中力アップ効果が期待できるため、アロマテラピーとしても人気があります。
- 材料: ローズマリーのエッセンシャルオイル、アロマディフューザーまたはアロマポット
- 使い方:
- アロマディフューザーに数滴のエッセンシャルオイルを入れ、お部屋に香りを広げます。
- アロマポットに熱湯とエッセンシャルオイルを入れ、蒸気を楽しめます。
- 効果:
- リラックス効果
- 集中力アップ
- 消臭効果
- 注意点:
- エッセンシャルオイルは高濃度なので、必ず希釈して使用しましょう。
- 肌に直接つけると、かぶれることがあるので注意が必要です。
ローズマリーの枝は、リース作りに最適です。
クリスマスリースだけでなく、普段使いのリースとしても楽しめます。
- 材料: 乾燥ローズマリーの枝、ワイヤー、リボン、好みの飾り(松ぼっくり、実物など)
- 作り方:
- ローズマリーの枝をワイヤーで輪っか状に結びます。
- 好みの飾りをつけて、オリジナルのリースを作ります。
- ポイント:
- 枝の太さや長さを調整することで、様々なサイズのリースを作ることができます。
- 壁に掛けたり、ドアに飾ったりと、様々な場所に飾ることができます。
ローズマリーは、キャンドルや石鹸作りにも活用できます。
- キャンドル:
- キャンドルワックスに乾燥させたローズマリーの葉を混ぜ込みます。
- キャンドルを固める際に、ローズマリーの枝を埋め込むこともできます。
- 石鹸:
- 石鹸の素にローズマリーのオイルを混ぜ込みます。
- 乾燥させたローズマリーの葉を石鹸に埋め込むこともできます。
サシェとは、ハーブやアロマを布袋に入れたもので、香りを楽しむためのものです。
- 材料: 小さな布袋、乾燥ローズマリー、リボン
- 作り方:
- 小さな布袋に乾燥させたローズマリーを詰め、口をリボンで結びます。
- クローゼットや引き出しに入れて、衣類に爽やかな香りをつけます。
- ポイント:
- ラベンダーやカモミールなど、他のハーブと組み合わせて作ることもできます。
ローズマリーの保存方法
常温保存
- グラスに水を入れ、ローズマリーの茎を浸して保存します。
- 水は毎日取り替えます。
- 直射日光を避け、涼しい場所で保存します。
- 保存期間は10日〜2週間程度です。
冷蔵保存
- ローズマリーをキッチンペーパーで包み、ジッパー付き保存袋に入れます。
- 野菜室で保存します。
- 保存期間は約1ヶ月です。
冷凍保存
- ローズマリーを洗って水気をよく拭き取ります。
- 葉を取り、茎ごと冷凍保存袋に入れます。
- 平らにして冷凍します。
- 保存期間は3ヶ月〜6ヶ月程度です。
乾燥保存
- ローズマリーを束ねて、風通しの良い場所で吊るして乾燥させます。
- 完全に乾燥したら、瓶などに入れて保存します。
- 冷暗所で保存します。
- 保存期間は約半年〜1年です。
まとめ
ローズマリー食べられない種類とは?選び方と活用法をご紹介しました。
ローズマリーは、料理やお茶、アロマテラピーなど様々な用途で楽しめる人気のハーブです。
一部の品種では大量摂取に注意が必要な品種があるものの、基本的には安心して楽しめるハーブです。
選ぶ時にも無農薬のローズマリーを選んでいただければ、さらに安心して使用できると思います。
今回紹介した選び方や保存方法、活用レシピを参考に、ローズマリーを存分に味わってくださいね。
コメント