ラベンダーは、美しい花と心地よい香りで人気のハーブですが、日本の高温多湿な気候では根腐れを起こしやすい植物です。
もし、あなたのラベンダーに元気がないと感じたら、それは根腐れのサインかもしれません。
しかし、諦めるのはまだ早いです。
適切な処置をすれば、復活させられる可能性があります。
ここでは、ラベンダーの根腐れを復活させる方法と、日頃からできる予防策について解説いたします。
ラベンダー根腐れの原因とサインをチェック!
ラベンダーは、フランスやイタリアなど地中海沿岸地方が原産で、乾燥した気候を好みます。
そのため、日本の高温多湿な環境は苦手とし、特に根腐れを起こしやすい植物です。
元気なランベンダーの根はしっかりしていますが、根腐れを起こすと茶色く変色し、ブヨブヨと柔らかくなります。
ここでは、ラベンダー根腐れの原因と根腐れが起こる際のサインをご説明いたします。
ラベンダー根腐れを引き起こす原因
1. 水やりのしすぎ
ラベンダーの根腐れで最も多い原因が、水のやりすぎです。
土が常に湿った状態では、根が呼吸できず、窒息して腐ってしまいます。
特に日本の梅雨時期は、土壌が過湿になりやすいため注意が必要です。
正しい水やり
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- 鉢植えの場合、土の表面が白く乾いてから、数日経ってから水を与えます。
- 鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、余分な水分はすぐに捨てます。
- 冬は生育が緩やかになるため、さらに乾燥気味に管理します。
2. 水はけの悪い土
ラベンダーは通気性と排水性の良い土を好みます。
もし、粘土質の土や保水性の高い土を使っていると、水分が土中に留まりやすくなり、根腐れの原因となります。
おすすめの土
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- 市販の「ハーブ用培養土」は、ラベンダーの栽培に最適な配合になっています。
- 自作する場合は、赤玉土や鹿沼土などを混ぜて、排水性を高めましょう。
3. 鉢底の詰まり
鉢底の穴が鉢底石や土で詰まっていると、余分な水分が排出されず、鉢内に溜まってしまいます。
これも根腐れを招く大きな原因の一つです。
- 対策
- 植え替えの際は、鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を敷くことで、水はけを良くすることができます。
- 鉢の皿に溜まった水は定期的に捨てるようにしましょう。
ラベンダーのこんなサインは要注意
1. 葉の色が黄色や黒っぽくなる
健康なラベンダーの葉は、青みがかった緑色をしています。
しかし、根が傷んで水分や栄養を十分に吸収できなくなると、葉の色に異変が現れます。
- 黄色に変色:特に下の方の葉から黄色く変色し始めることが多いです。これは、根が水を吸い上げられなくなり、葉中の水分が足りていないサインです。
- 黒っぽく変色:さらに進行すると、葉が黒ずんで乾燥したように枯れていきます。これは、根腐れがかなり進んでいることを示唆します。
2. 株全体に元気がなくなる
根腐れを起こしたラベンダーは、株全体に元気がなくなり、ハリが失われます。
- 茎がぐったりする:水やりをしても茎がシャキッとせず、ぐったりと垂れ下がったままになります。これは、根が正常に水分を吸収できず、株全体が脱水状態になっているためです。
- 生長が止まる:新しい芽が出なくなったり、全体的な生長が停滞したりします。これは、根が栄養を運ぶ機能を失っているサインです。
3. 異臭がする
根腐れが進行すると、土の中に根腐れ菌が繁殖し、独特の異臭を放つようになります。
- カビや腐敗臭:土からツンとしたカビ臭や、腐ったような不快な臭いがする場合、根が腐敗している可能性が高いです。
ラベンダーの根腐れはまだ間に合う!復活させる3つの方法
ラベンダーが根腐れを起こしてしまった場合でも、まだ間に合う可能性があります。
以下の3つの方法を試して、ラベンダーの復活を試みて下さい。
ラベンダーの植え替えで根をリフレッシュ
根腐れは、土中の水分が多すぎることで根が呼吸できなくなり、腐ってしまう状態です。
そのため、根腐れした場合は、新しい用土に植え替えることが最も効果的な方法です。
手順
- 株を鉢から抜く: 優しく株を鉢から抜き、土を軽く落とします。
- 根の確認と処理: 根をよく観察し、黒く変色したり、ぶよぶよになったりしている根は根腐れしています。健康な根(白っぽい色でしっかりしている)を傷つけないように、腐った根は取り除きましょう。
- 新しい用土で植え付ける: 植え付けには、水はけの良い用土を選びます。市販のハーブ用培養土や、赤玉土などを混ぜて排水性を高めた土がおすすめです。
- 植え替え後の管理: 植え替え直後は根が不安定なため、直射日光を避け、風通しの良い日陰で数日休ませます。
ラベンダーの剪定で株の負担を軽減
根腐れしているラベンダーは、根から水分や養分を十分に吸い上げることができません。
そのため、元気な部分に栄養を集中させるために、不要な枝や葉を剪定することが重要です。
手順
- 枯れた部分を取り除く: 茶色く枯れてしまった葉や茎は復活しないため、思い切って取り除きます。
- 風通しを良くする剪定: 株の内側が蒸れないように、密集している枝を間引くように剪定します。株全体を見て、向こう側が透けて見えるくらいに剪定すると、風通しが良くなります。
ラベンダーの水やり方法を見直す
根腐れの主な原因は水のやりすぎです。
軽い症状の根腐れであれば、水やり方法を見直すだけで回復する場合があります。
ポイント
- 水やり頻度: ラベンダーは乾燥に強い植物です。鉢植えの場合は、土の表面が白っぽく乾いてから2~3日経って、葉が少ししおれたタイミングでたっぷりと水を与えます。
- 水やりの時間帯: 特に夏場は、日中の高温時に水やりをすると土の中の温度が上がり、根を傷める原因になります。朝の涼しい時間帯に水やりを行いましょう。
- 土を乾燥させる: 根腐れの初期段階であれば、数日間水やりを完全に中断し、土をしっかり乾燥させることで回復を促すことができます。
ラベンダーの根腐れを予防する4つのポイント
ラベンダーの根腐れを予防する
- 水はけの良い土を選ぶ
- 風通しの良い場所に置く
- 適切な水やりを心がける
- 植え替えのタイミングを逃さない
この4つのポイントがあります。
それぞれの内容を詳しくご説明いたします。
水はけの良い土を選ぶ
ラベンダーは乾燥した環境を好む植物で、土が常に湿っている状態を嫌います。
そのため、栽培には水はけの良い土を選ぶことが最も重要です。
市販の「ハーブ用培養土」は、ラベンダーの生育に適した配合になっているためおすすめです。
ご自身で配合する場合は、腐葉土や堆肥といった保水性の高い資材を控えめにし、赤玉土や軽石、パーライトなどを多めに混ぜて、通気性と排水性を高めましょう。
土の粒が適度な大きさで、水を与えたときにスーッと下に抜けていくような状態が理想です。
風通しの良い場所に置く
根腐れは、土中の酸素不足が原因で起こりますが、地上部の風通しの悪さも根腐れを助長します。
葉が密集して蒸れると病害虫が発生しやすくなり、株全体の活力が低下して根が弱ってしまいます。
その蒸れを防止するために、ラベンダーは日光がよく当たる、風通しが確保できる場所に置きましょう。
鉢植えの場合は、特に梅雨時期の長雨が当たる軒下などに移動させることで、過剰な水分を避けられます。
また、株が大きくなってきたら、定期的に剪定をして枝葉を間引くことで、株の内側まで風が通るようにしてあげるとより効果的です。
適切な水やりを心がける
水やりは、ラベンダーの根腐れを防ぐ上で最も重要な管理の一つです。
ラベンダーは乾燥に強いので、「少し乾燥気味」を意識して水やりを行います。
鉢植えの場合、土の表面が白っぽく乾いてからさらに2〜3日経って、葉が少ししおれ始めたタイミングで水をたっぷり与えましょう。
地植えの場合は、根がしっかり張れば基本的に雨水だけで十分です。
頻繁な水やりは避け、土が完全に乾いてから次の水やりを行うサイクルを徹底することで、根が常に湿った状態になることを防げます。
植え替えのタイミングを逃さない
鉢植えでラベンダーを育てている場合、植えっぱなしにしていると鉢の中で根がぎっしり詰まる「根詰まり」を起こしてしまいます。
根詰まりを起こすと、土の中の通気性や排水性が悪化し、水を上げても下に流れ落ちて行かないため、根腐れのリスクが高まります。
植え替えは、通常1〜2年に一度、春か秋に行うのが一般的です。
鉢底から根が出てきたり、水を与えてもなかなか染み込まないような状態になったら、根が詰まっている状態なので、一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
新しい土に替えることで、株の生育環境をリセットし、根の健康を保つことができます。
ラベンダーの根腐れしにくい品種を選ぶ
ラベンダーには数多くの品種があり、それぞれ耐寒性や耐暑性、耐湿性が異なります。
根腐れは高温多湿が原因で起こることが多いため、特に日本の温暖な地域で栽培する場合は、暑さや湿気に強い品種を選ぶことが重要です。
根腐れしにくい(高温多湿に比較的強い)ラベンダーの品種は、主に以下の系統に分けられます。
ラバンディン系
イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーの交配種で、両者の良い特性を受け継いでいます。
耐暑性、耐寒性に優れ、丈夫で育てやすいのが特徴です。
香りが強く、鑑賞だけでなく、ポプリやドライフラワーなどにも適しています。
代表的な品種
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- グロッソ:非常に強健で育てやすく、大株に育ちます。香りが強いため、香料用としても人気です。
- フェノミナル:近年注目されている品種で、グロッソよりもさらに暑さ・蒸れに強いとされています。
ストエカス系(フレンチラベンダー)
ウサギの耳のような苞葉(ほうよう)が特徴的な品種です。
アングスティフォリア系に比べて、高温多湿に比較的強く、寒さにはやや弱い傾向があります。
代表的な品種
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- ラベンダー アボンビュー:花の色が豊富で、観賞用として人気です。
デンタータ系
ギザギザした葉が特徴的な系統です。
耐暑性に優れ、暖かい地域でも比較的育てやすい品種です。
ただし、寒さには弱いため、冬は防寒対策が必要です。
プテロストエカス系(レースラベンダー)
葉がレースのように細かく切れ込んでいるのが特徴です。
高温多湿に強いものの、寒さには弱いため、温暖な地域での栽培や、冬は室内での管理がおすすめです。
まとめ
ラベンダーの根腐れはまだ間に合う!復活させる3つの方法と予防策をご紹介いたしました。
乾燥を好むラベンダーを、高温多湿の日本で育てるには、根腐れ予防は大変重要になると思います。
水の問題や風通しの問題等いろんな課題が出てくると思います。
ですが、ここで紹介した復活させる方法や予防策を活用して頂き、楽しみながらラベンダーを育ててみて下さいね。
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