ラベンダーの育て方徹底解説!室内栽培を成功させる5つのポイント

ラベンダーの育て方徹底解説!室内栽培を成功させる5つのポイント ハーブ

ラベンダーは、その香りがもたらすリラックス効果や、インテリアとしても人気のあるハーブです。

ラベンダー畑や庭に咲いている。室外で育てるイメージを持たれている方も多いかもしれません。

ですが、いくつかのポイントを押さえれば、初心者でも美しい花と心地よい香りを室内で楽しむことができます。

ここでは、ラベンダーの室内での育て方を詳しくご紹介いたします。

ラベンダーを室内で育てる前に知っておきたい基本知識

ラベンダーを室内で育てる前に知っておきたい基本知識

ラベンダーの室内栽培を成功させるには、まずラベンダーが本来どのような環境で育つかを理解することが大切です。

ここでは、室内で育てる前に押さえておきたい基本知識を解説します。

ラベンダーはどんな植物?

ラベンダーは地中海沿岸原産のシソ科の植物で、乾燥した気候と強い日差し、風通しの良い環境を好みます。

このため、日本の高温多湿な夏は苦手とする品種が多く、室内栽培では、これらの生育環境をいかに再現するかが成功の鍵となります。

室内栽培におすすめの品種

ラベンダーには数多くの品種がありますが、室内栽培で特に育てやすいとされているのは以下の品種です。

  • フレンチラベンダー:ウサギの耳のような独特な形をした花穂が特徴です。他の品種に比べて耐暑性があり、比較的丈夫なので初心者にもおすすめです。
  • レースラベンダー:細かく切れ込みの入った葉がレースのように見えることから名付けられました。こちらも耐暑性があるため、日本の気候でも育てやすい品種です。
  • イングリッシュラベンダー:香りが最も良いとされる品種ですが、高温多湿に弱いため、風通しと温度管理に特に注意が必要です。

品種によって香りや花姿、育てやすさが異なるため、自分のライフスタイルや部屋の環境に合った品種を選ぶことが重要です。

室内栽培のメリットとデメリット

  • メリット
    • 季節や天候に左右されず、一年中ラベンダーの香りや花を楽しめる。
    • インテリアとして部屋を彩ることができる。
    • 屋外の害虫被害を受けにくい。
  • デメリット
    • 日照不足や風通しの悪さにより、生育が悪くなりやすい。
    • 過湿になりやすく、根腐れや病気の原因になりやすい。
    • 冬場の暖房で乾燥しすぎることがある。

これらのデメリットを理解した上で、適切な環境を整えることが室内栽培成功の秘訣です。

室内で育てる際の心構え

室内栽培は、屋外と違い、ラベンダーの生育環境を人工的に作り出す必要があります。

水やりや風通し、日当たりなど、ラベンダーが何を求めているのかを観察し、こまめにお世話をすることが大切です。

特に、土の乾き具合は屋外よりも確認が難しいため、毎日様子を見てあげましょう。

これらの基本知識を頭に入れておくことで、室内でのラベンダー栽培をよりスムーズに、そして成功に導くことができるでしょう。

ラベンダーを室内で育てるために必要なもの

ラベンダーを室内で育てるために必要なもの

ラベンダーを室内で育てるために必要なもの

  • ラベンダーの苗
  • 鉢と鉢底石
  • 用土(土)
  • 肥料
  • 剪定ばさみ
  • 霧吹き
  • 植物育成ライト

この7つが必要です。

詳しくは下記でご紹介いたします。

ラベンダーの苗

まずは、育てたいラベンダーの苗を用意します。

先述の通り、室内栽培には高温多湿に比較的強いフレンチラベンダーレースラベンダーがおすすめです。

購入時は、葉の色が濃く、茎がしっかりしている元気な苗を選びましょう。

鉢と鉢底石

ラベンダーは水はけの良い環境を好むため、通気性の良い素焼き鉢がおすすめです。

プラスチック鉢を使う場合は、水やりをより慎重に行う必要があります。

鉢のサイズは、苗よりも一回り大きいものを選びましょう。

また、鉢底の穴からの土の流出を防ぎ、水はけをさらに良くするために鉢底石も用意します。

用土(土)

ラベンダー栽培には、水はけと通気性に優れた土が必須です。

市販のハーブ用培養土は、必要な成分がバランス良く配合されているため、初心者の方でも安心して使えます。

自分で配合する場合は、赤玉土や軽石などを多めに混ぜると良いでしょう。

肥料

植え付けの際に、土に元肥として緩効性化成肥料を混ぜておくと、生育がスムーズになります。

また、春から秋の生育期には、液体肥料を水やりの際に与えると、花付きが良くなります。

剪定ばさみ

ラベンダーの健康な成長には、剪定が欠かせません。

古い枝や枯れた枝、花が咲き終わった後の花茎を切り取るために、清潔な剪定ばさみを用意しておきましょう。

霧吹き

室内は乾燥しがちです。

葉に直接水をかける「葉水」を行うことで、乾燥を防ぎ、ハダニなどの害虫を予防することができます。

植物育成ライト(必要に応じて)

室内で十分な日光が確保できない場合は、植物育成ライトを用意することをおすすめします。

これにより、日照不足を補い、ラベンダーを元気に育てることができます。

これらのものを揃えることで、室内でもラベンダー栽培をスムーズに始めることができるでしょう。

ラベンダーの室内栽培を成功させる5つのポイント

ラベンダーの室内栽培を成功させる5つのポイント

ラベンダーの室内栽培を成功させる5つのポイント

  • 日当たりと風通しの良い置き場所を確保する
  • 水やりは「乾燥気味」が基本
  • 適切な時期に肥料を与える
  • 剪定で株の形を整え、風通しを良くする
  • 病害虫を予防し、早期発見を心がける

の5つがあります。

それぞれの内容を詳しく紹介いたします。

日当たりと風通しの良い置き場所を確保する

ラベンダーは強い日差しと風通しの良い環境を好む植物です。

室内で育てる際は、1日に4〜6時間以上直射日光が当たる場所を選びましょう。

南向きの窓際が理想的です。

日照不足は、花付きが悪くなったり、茎がひょろひょろと伸びて弱々しくなる「徒長(とちょう)」の原因となります。

また、風通しが悪いと、土が乾きにくくなり、根腐れやカビなどの病気の原因となります。

窓を開けて自然な風を通したり、サーキュレーターを使って空気を循環させたりするなど、常に新鮮な空気が流れるように工夫しましょう。

水やりは「乾燥気味」が基本

ラベンダーは乾燥に強く、過湿に弱い性質があります。

水のやりすぎは根腐れの最大の原因です。

水やりは、土の表面が完全に乾いたのを確認してから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。

特に冬場は成長が緩やかになるため、水やりの回数を減らし、より乾燥気味に管理することが大切です。

適切な時期に肥料を与える

ラベンダーは比較的肥料を多く必要としない植物ですが、生育期に適量の肥料を与えることで、健康な株に育ち、花付きが良くなります。

肥料を与えるのに適した時期は、春から秋の生育期です。

この時期に、月に1〜2回程度、液体肥料を水やりの代わりに与えましょう。

ただし、肥料の与えすぎは葉ばかり茂り、花が咲かなくなることがあるので注意が必要です。

剪定で株の形を整え、風通しを良くする

剪定は、ラベンダーを元気に育てる上で欠かせない作業です。

剪定には、主に「花後の剪定」と「形を整える剪定」があります。

花が咲き終わったら、花茎の根本から切り戻すことで、次の開花を促します。

また、茎が込み合ってきたら、内部に光や風が通るように不要な枝を切り落とすことで、病気を予防できます。

病害虫を予防し、早期発見を心がける

室内栽培では、アブラムシやハダニ、カイガラムシといった害虫が発生することがあります。

これらの害虫は、葉の裏などに潜んでいることが多いため、定期的に葉の表裏をチェックしましょう。

風通しを良くし、乾燥しすぎないように葉水をすることも予防になります。

もし害虫を発見した場合は、すぐに駆除することが大切です。

また、過湿によるカビ病にも注意が必要です。

ラベンダーの室内栽培でよくあるトラブルと解決策

ラベンダーの室内栽培でよくあるトラブルと解決策

ここでは、ラベンダーを室内栽培で育てる際に起こるトラブルと、その解決策の一例をご紹介いたします。

もし同じような症状が起きた際は、参考にして下さい。

葉が茶色くなる・枯れる

ラベンダーの室内栽培でよくあるトラブルの一つが、葉が茶色く変色して枯れてしまうことです。

ここでは、その主な原因と解決策をまとめました。

原因1:水のやりすぎによる根腐れ

ラベンダーの室内栽培で最も多いトラブルの原因が、水のやりすぎです。

ラベンダーは乾燥を好む植物のため、土が常に湿った状態だと根が呼吸できなくなり、根腐れを起こします。

根腐れを起こすと、水分や栄養を吸収できなくなり、その結果、葉が茶色く変色して枯れてしまいます。

解決策

  • 水やり方法の見直し: 土の表面が完全に乾いたことを確認してから水を与えましょう。指で土を触ってみて、数cm下まで乾いているかを確認するのが確実です。
  • 鉢の確認: 鉢底穴から水がスムーズに流れ出るか確認し、水はけの悪い鉢や土を使用している場合は、植え替えを検討しましょう。
  • 根のチェック: 根腐れが疑われる場合は、一度鉢から株を抜き、根が黒ずんで腐っていないかを確認します。腐った根は取り除き、新しい水はけの良い土に植え替えてください。

原因2:日照不足

ラベンダーは日光を非常に好むため、日当たりが悪いと光合成が十分に行えなくなり、株が弱ってしまいます。

これも葉が茶色くなる原因の一つです。

解決策

  • 置き場所の変更: 1日に4〜6時間以上、直射日光が当たる場所に移動させましょう。
  • 植物育成ライトの活用: 日当たりの良い場所が確保できない場合は、植物育成ライトを設置して日照不足を補います。

原因3:風通しの悪さ

室内は空気が滞留しやすいため、風通しが悪いと株元に湿気がこもり、蒸れてしまいます。

これにより、葉が茶色くなったり、カビなどの病気が発生したりすることがあります。

解決策

  • 定期的な換気: 窓を開けて部屋の空気を入れ替えましょう。
  • サーキュレーターの利用: 部屋全体の空気が循環するように、サーキュレーターや扇風機を活用するのも有効です。
  • 剪定: 密集した枝を剪定して、株の内側にも風が通るようにすることで、蒸れを防ぐことができます。

原因4:水切れ

ラベンダーは乾燥に強いですが、極端な水切れは葉をパリパリに乾燥させて枯らしてしまいます。

特に夏場は、土が乾きやすいため注意が必要です。

解決策

  • こまめな観察: 土の乾き具合をこまめにチェックし、水切れを起こさないようにしましょう。
  • 鉢底からの水やり: 水を与える際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、鉢全体に水分を行き渡らせます。

花が咲かない

ラベンダーの室内栽培で花が咲かない場合、いくつかの原因が考えられます。

ここでは、その主な原因と解決策を解説します。

原因1:日照不足

ラベンダーは花を咲かせるために、十分な日光を必要とします。

室内では、窓際でも光の量が不足しがちで、これが花が咲かない最も大きな原因の一つです。

特に、1日の日照時間が6時間未満の場合、花芽をつけるためのエネルギーが不足してしまいます。

解決策

  • 置き場所を変える: 鉢を最も日当たりの良い場所に移動させましょう。窓際でも、時間帯によって日差しの向きが変わるため、1日のうちで最も長く光が当たる場所を見つけましょう。
  • 植物育成ライトを活用する: 窓際でも日照時間が足りない場合は、植物育成ライトを導入するのが効果的です。これにより、日照不足を補い、ラベンダーが花を咲かせるための光合成を促すことができます。

原因2:不適切な剪定

剪定はラベンダーの健康な成長に不可欠ですが、そのタイミングや方法を間違えると花が咲かなくなります。

例えば、花芽がつく時期に剪定しすぎると、花芽を切り落としてしまうことになります。

また、剪定を全く行わないと、株が古くなり、花付きが悪くなることがあります。

解決策

  • 剪定のタイミングと方法を見直す: 一般的に、ラベンダーの剪定は、花が終わった後に行うのが基本です。花茎を切り戻すことで、次の花を咲かせるための準備を促します。剪定の時期や方法を品種ごとに確認し、適切に行いましょう。

原因3:肥料の与えすぎ

ラベンダーは肥料を控えめに与えるのが基本です。

特に、窒素分を多く含む肥料を与えすぎると、葉や茎ばかりが茂り、花が咲かなくなる「葉ぼけ(はぼけ)」という状態になります。

解決策

  • 肥料の種類と量を見直す: 肥料は、リン酸分が多めのものを選ぶと花付きが良くなります。また、肥料を与えるのは生育期(春から秋)に限定し、与えすぎないように注意しましょう。

原因4:根詰まり

鉢植えで長期間植え替えをしていない場合、根が鉢の中でぎゅうぎゅうになり、水分や栄養を十分に吸収できなくなることがあります。

これも、株が弱り、花が咲かなくなる原因となります。

解決策

  • 植え替えを行う: 鉢底から根が見えているようなら、一回り大きな鉢に植え替えを行いましょう。これにより、根が自由に伸びるスペースができ、株が再び元気になります。植え替えは、生育期に入る前(春先など)に行うのが良いでしょう。

害虫・病気の対策

ラベンダーの室内栽培でよくあるトラブルの一つが、害虫や病気の発生です。

ここでは、その主な原因と解決策を解説します。

害虫の発生と解決策

室内は風通しが悪く、湿度がこもりがちなため、害虫が発生しやすい環境です。

特に注意したいのは以下の害虫です。

1.アブラムシ

  • 特徴: 新芽や蕾に群がり、植物の汁を吸います。ベタベタした排泄物(甘露)を出し、それが原因でカビが発生することもあります。
  • 原因: 栄養過多や風通しの悪さ、乾燥などが原因で発生しやすくなります。
  • 解決策
    • 物理的に駆除する: 見つけ次第、指やピンセットで取り除くか、勢いよく水をかけて洗い流します。
    • 薬剤を使用する: 数が多い場合は、市販の殺虫剤を散布します。
    • 予防: 窒素肥料の与えすぎに注意し、風通しを良くして、株を健康に保ちましょう。

2.ハダニ

  • 特徴: 葉の裏側に寄生し、植物の汁を吸います。被害が進むと、葉の表面に白い斑点やクモの巣のようなものが現れ、葉が茶色く変色して枯れてしまいます。
  • 原因: 室内が乾燥しすぎると発生しやすくなります。
  • 解決策
    • 葉水を徹底する: 定期的に霧吹きで葉の表裏に水をかけてあげると、ハダニの発生を抑えることができます。
    • 濡れたティッシュで拭き取る: 葉の裏にいるハダニを濡れたティッシュなどで拭き取りましょう。
    • 殺ダニ剤を散布する: 数が多い場合は、専用の殺ダニ剤を使用します。

病気の発生と解決策

室内栽培で注意すべき病気は、主に湿気が原因で発生するカビ性の病気です。

1.灰色カビ病(ボトリチス病)

  • 特徴: 葉や茎、花に灰色のカビのようなものが付着し、腐敗が進みます。
  • 原因: 高温多湿、風通しの悪さ、過度な水やりが主な原因です。
  • 解決策
    • 風通しを良くする: サーキュレーターを使うなどして、室内の空気を循環させましょう。
    • 剪定で風通しを改善する: 密集した葉や茎を剪定し、株の内側にも風が通るようにします。
    • 水やり方法の見直し: 土が乾ききってから水を与えるようにし、過湿にならないように注意します。
    • 病気の箇所を取り除く: 感染した部分はすぐに切り取り、拡大を防ぎましょう。

2.根腐れ

  • 特徴: 葉が黄色くなったり、茎が黒ずんで柔らかくなったりします。土から嫌な臭いがすることもあります。
  • 原因: 水のやりすぎや水はけの悪い土が原因で、根が呼吸できなくなり腐ってしまいます。
  • 解決策
    • 水やり方法の見直し: 水やりは乾燥気味に行いましょう。
    • 植え替え: 鉢から株を抜き、腐った根を切り落として、新しい水はけの良い土に植え替えます。

まとめ

ラベンダーの育て方徹底解説!室内栽培を成功させる まとめ

ラベンダーの育て方徹底解説!室内栽培を成功させる5つのポイントをご紹介いたしました。

ラベンダーを畑や庭で育てるのではなく、室内で育てる為の基本的な情報をまとめました。

ラベンダーを室外で育てたことはあるけど、室内で育てた事がない人は、ぜひこの記事を参考に、室内栽培にチャレンジしてみて下さいね。

読んでいただいた方に、この記事がお役に立てれば幸いです。

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