ラベンダーはアロマテラピーやハーブティーなど様々な用途で人気のある植物ですが、猫にとっては非常に危険です。
ラベンダーの香りや成分は、猫にとって毒となり、最悪の場合中毒死を引き起こす可能性があります。
ここでは、ラベンダーが猫の中毒を起こす原因や対処法をご紹介いたします。
猫がラベンダーを嗅いだら危険?中毒の原因
猫にとってラベンダーは、嗅ぐだけでも中毒症状が出るほど危険なハーブです。
ラベンダーオイルやラベンダー水、ポプリなど、ラベンダーの香りを含むあらゆるものは猫にとって危険です。
なぜ危険なのか、その原因と症状を説明いたします。
猫にとってラベンダーが危険な原因
猫にとってラベンダーは非常に危険な植物であり、摂取はもちろん、匂いを嗅いだり皮膚に付着したりするだけでも中毒症状を引き起こす可能性があります。
これは、猫がラベンダーに含まれる「リナロール」や「酢酸リナリル」といった成分を分解するための酵素を十分に持っていないためです。
これらの成分が体内に蓄積されると、深刻な健康被害を引き起こすことがあります。
猫のラベンダー中毒症状
- 嘔吐
- 下痢
- よだれ
- 食欲不振
- 興奮
- 傾眠
- ふらつき
- 呼吸困難
猫のラベンダー中毒死
猫が大量のラベンダーを摂取した場合、または長期間ラベンダーにさらされた場合中毒死する可能性があります。
ラベンダーの中毒量は猫の体重や健康状態によって異なりますが、少量でも中毒を起こす可能性があります。
また、ラベンダーの精油を舐めた場合は、数滴でも致死量になる場合あるので非常に危険です。
猫がラベンダーを嗅いだら危険?中毒になった場合の対処法
猫がラベンダー中毒になった場合の対処法
- 症状の確認
- 即座に動物病院へ連絡・受診
- 自宅でできる応急処置(獣医師の指示があれば)
- 動物病院で治療
の4つがあります。
それぞれの内容を確認して下さい。
症状の確認
猫がラベンダーに触れたり、摂取したりした可能性があり、普段とは異なる異常な行動や身体症状が見られたら、すぐに中毒を疑うことが重要です。
具体的には、嘔吐、下痢、食欲不振、ぐったりしている、元気がない、ふらつき、よだれが止まらない、震え、筋肉の痙攣、異常な興奮や落ち着きのなさ、呼吸の速まり、皮膚の炎症や痒みなどの症状に注意してください。
これらの症状は、ラベンダーに含まれる有毒成分(リナロール、リナリルアセテートなど)が猫の体内で分解されずに蓄積されているサインである可能性があります。
症状の程度や、いつから見られるかなどをメモしておくと、獣医師への説明に役立ちます。
即座に動物病院へ連絡・受診
猫に上記のような中毒症状が見られたり、ラベンダーを摂取したことを確信したりした場合は、一刻を争う事態であるため、すぐに動物病院に電話で連絡し、獣医師の指示を仰ぎ、速やかに受診してください。
電話では、猫がラベンダーに接触した状況(種類、量、時間)、現在の猫の症状(具体的な様子や程度)、猫の年齢、体重、持病の有無などを正確に伝えることが重要です。
自己判断で様子を見たり、民間療法を試みたりすることは、症状を悪化させ、命に関わる事態に繋がりかねないため、絶対に避けてください。
自宅でできる応急処置(獣医師の指示があれば)
動物病院へ向かうまでの間、もし獣医師から指示があった場合に限り、自宅で以下の応急処置を検討します。
猫の被毛や皮膚にラベンダーの成分が付着している場合は、低刺激のペット用シャンプーやぬるま湯で優しく洗い流し、更なる吸収を防ぎましょう。
また、ラベンダーの香りが充満している閉鎖空間であれば、窓を開けて換気を行い、猫を新鮮な空気のある場所に移動させてください。
最も重要なのは、獣医師の指示なしに猫に無理に吐かせようとしないことです。誤って吐瀉物が気管に入り、誤嚥性肺炎を引き起こす危険性があります。
また、猫が自力で水を飲める状態であれば、脱水予防のために新鮮な水を与えても構いませんが、無理強いは避けてください。
動物病院で治療
動物病院では、猫の症状や中毒の程度に合わせて、適切な治療が行われます。
脱水症状に対する点滴治療、吐き気止めや下痢止めの注射・内服薬、神経学的検査など、症状に応じた対症療法が行われます。
症状が重い場合は、入院して集中的な治療や経過観察が必要となることもあります。
猫がラベンダーを嗅いだら危険?中毒を防ぐ予防策
猫のラベンダー中毒を防ぐ予防策
- ラベンダー製品の厳重な保管
- 猫のいる空間での使用禁止
- ラベンダーへの接触制限
- 被毛への付着防止
- 異常時の迅速な獣医相談
の5つがあります。
それぞれの方法を確認して下さい。
ラベンダー製品の厳重な保管
ラベンダーのアロマオイル、ポプリ、ドライフラワー、石鹸、シャンプーなど、すべてのラベンダー製品は、猫が触れることのできない戸棚や引き出し、高い場所などへ厳重に保管してください。
特に高濃度のエッセンシャルオイルは、少量でも重篤な中毒を引き起こす可能性があるため、細心の注意が必要です。
猫のいる空間での使用禁止
アロマディフューザーや加湿器でのラベンダーオイルの使用は避けてください。
空中に拡散されたラベンダーの成分を猫が吸い込んだり、毛づくろいの際に摂取したりする可能性があります。
ラベンダースプレーや消臭剤なども、猫がいる部屋での使用は控え、使用後は十分に換気し、猫がその部屋に入らないように配慮しましょう。
ラベンダーへの接触制限
庭にラベンダーを植えている場合は、猫が近づけないように柵を設けるなどの対策を検討してください。
散歩中にラベンダー畑などに近づかせないように注意することも重要です。
室内でラベンダーの花束や鉢植えを飾る場合は、猫が物理的に届かない場所を選ぶか、猫が立ち入らない部屋に限定してください。
被毛への付着防止
ラベンダー入りのシャンプーやスプレーなどは猫に使用しないでください。
もし人間がラベンダー成分を含むハンドクリームやボディローションなどを使用した場合は、猫を触る前に手をよく洗い、猫の被毛に成分が付着しないように注意しましょう。
猫が毛づくろいをする際に摂取してしまう可能性があります。
異常時の迅速な獣医相談
万が一、猫がラベンダーを舐めたり、触れたりした可能性がある場合や、嘔吐、下痢、食欲不振、ぐったりしている、呼吸が速い、歩き方がおかしい、震えなどの不審な症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
可能であれば、何を、どれくらいの量摂取したかなど、状況を詳しく獣医に伝えるようにしましょう。
猫がラベンダーを嗅いだら危険?他のハーブも注意
ラベンダー以外にも、猫にとって危険なハーブや植物は多数存在します。
猫は人間と異なり、特定の植物成分を効率的に代謝できないため、中毒症状を引き起こすことがあります。
特に、成分が濃縮されたエッセンシャルオイル(精油)は少量でも危険性が高いです。
ここでは、ラベンダー以外で、主となる危険なハーブをご紹介します。
ティーツリー
強力な毒性を持つハーブで、少量でも猫が摂取すると肝臓に深刻なダメージを与え、命に関わる場合があります。
エッセンシャルオイルの使用は絶対避けてください。
ミント類(ペパーミント、スペアミントなど)
ケトン類などの成分が猫の肝臓に負担をかける可能性があります。
エッセンシャルオイルは使用を避けるべきです。
ユーカリ
有毒な成分が含まれており、猫が口にすると嘔吐、下痢、よだれ過多、低体温などの症状を引き起こすことがあります。
ユーカリのエッセンシャルオイルも非常に危険です。
ローズマリー
含まれる揮発性油やその他の成分が、猫が摂取すると嘔吐、下痢、皮膚炎、神経症状などを引き起こすことがあります。
まとめ
猫がラベンダーを嗅いだら危険?正しい対処法と予防策をご紹介しました。
人間にとってはリラックス効果などで有用なラベンダーですが、猫にとっては非常に危険な植物です。
人間側でうっかりラベンダーの匂いがする製品やアロマ等使用して、猫が長時間さらされた場合は中毒になってしまう可能性があります。
猫がラベンダーを長時間さらされた場合や摂取してしまった場合は、すぐに動物病院を受診するようにして下さい。
猫がいる場合は、ラベンダーを置いたりラベンダー製品を使用しないのが一番なのですが、どうしてもラベンダー製品を使用する場合は、猫に十分注意して使用して下さいね。
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